フリーランスになるために必要なこと

2020年の内閣府による発表によると、日本のフリーランス人口は460万人程度とされています。

これは、就業者全体の5%程度で、そのうち本業フリーランスが3%、副業フリーランスが2%とされています。

フリーランスという働き方を選んだ理由として過半数を占めたのが”自分のスタイルで働きたいため”。

次いで多かったのが”働く時間や場所を自由にするため”というものでした。

しかし、中小企業庁が出したデータによると、開業届を出した事業者の4割弱が1年以内、6割が3年以内に廃業を選択しています。

廃業の理由は、「法人化するため」や「会社員の方が向いていると判断した」というものもあるでしょうが、多くは「継続できなかった」という理由だと推測できます。

せっかく叶えたいビジョンがあったにもかかわらず、これだけ多くの方が廃業し、雇われるという働き方に戻っていく要因はどこにあるのでしょうか?

キャリアスクールで年間300名以上の教育に携わり、現在も50名以上を抱え、教育をしている経験から、私なりの見解をまとめてみます。

目次

「ビジネスとは何か」を理解すること

個人的な見解ですが、フリーランスになる方の多くは「ビジネスとは何か」を理解していない場合が多い。

会社を抜け出して個人で仕事するということは、会社全体で運営しているビジネスを個人で運営するということです。

そのため会社員でありながら、会社がどのように事業を作り、拡大を図っているかを知らなければなりません。

しかし、組織の中の1人にすぎない社員という立ち位置から、組織全体を俯瞰してみたり、会社の経営陣が何を考え、どのような意思決定を行っているのか理解することは非常に難しいのが現実です。

ビジネスとは、価値と価値の交換と言われていますが、これは大企業だろうが個人事業主だろうが副業だろうが変わることのない本質です。

この本質を理解していない限り、仕事が成立せず、売り上げを上げるところまでたどり着かないことが多い。

フリーランス生活を継続するためには、価値と価値を交換するための次の3つのスキルは必ず身につけて欲しいところです。

・マーケティングスキル(集客力)

・セールススキル(営業力)

・ファイナンススキル(お金を管理する力)

専門スキルはあって当たり前という認識

動画クリエイターを例にしてみます。

Aさんはとってもおしゃれでかっこいい動画を作れるとします。

周りの人に「すごい!かっこいい!」「これだったらいけるんじゃない?!」なんて言われたとしても、

お金を出してまでお願いするかどうかは別問題だったりします。

他人はあなたの人生に無責任に物事をいう時が多々ありますので、嬉しい言葉はありがたく受け取り、自分自身は冷静になって物事を判断する必要があります。

また、あなたのスキルを必要としてくれる人に出会わなければお仕事にはなりませんし、出会ったとしても、自分の価値を正しく伝え、相手へのメリットを生み出すことができなければ、100円でもお金を貰えません。

「スキルは素晴らしいんだけど、信頼していいのか…」なんて不安に思われないように、いわゆる人間力と言われるような部分もとても大事だったりします。(個人的には、ここを一番重視する場面が多いと思います)

スキルがあるのは当たり前とみられるのがビジネスの世界です。

それ以上の価値を提供できなければ、「あなたにお金を払ってでもお願いします」とはならないのです。

自主的に考え、動く力

残念なことに私たちが受けてきた学校教育や多くの企業の教育は

与えられたことをこなす訓練や、決められたルールに従う訓練とも取れる状況です。

これは人から思考力や問題解決力、0から1を生み出す力を奪う大きな要素です。

仕事をうまくいかせるためには、自主的に思考し、行動に起こし、求められる以上の結果を提供することが大切です。

これは、どんな働き方であっても共通するものですが、フリーランスは自分が看板ですので、全ての責任は自分になり、当然、損害をこうむるのも自分です。

会社勤めのうちは、なにかミスしても会社が責任を負ってくれますが、そんな後ろ盾はなくなります。

後ろ盾があり、仕事を与えられることが当たり前という、ありがたさを理解するのは、フリーランスになってからでしょう。

仕事に対する責任

会社は学校じゃねぇんだよ というドラマが少し前に放送されていましたが、本当にその通りだと思います。

学校では、宿題という名の課題が与えられ、それをこなす。

例えサボって提出が遅れたとしても、ちょっと怒られるくらいで、別に生活になんの支障もないですよね。

こんな感覚でフリーランスになってしまったら、一巻の終わりです。

課題は与えられる前に自分で探し出し、自分で解決するのが当たり前です。

納期を過ぎても許されるなんてことはほとんどありません。普通にその後仕事をもらうことはなくなります。

自分の人生ですから、どんな選択をしても自分の責任なのですが、普段働いている中でそれを実感しにくいこともまた事実。

日頃から、全ての選択は自分の責任であること、そしてそれに例外はないことを認識しておくと、どんな働き方も選択できるのではないでしょうか。

厳しいことばかりな内容になってしまいましたが、実際人が羨むような働き方を実現している人は

このような考え方が当たり前になっている方々です。

当たり前になっているので、特に大変だとも思わない人が多い。

だからこそ、誰にも叶えられない選択ができています。

私自身、この基準と直面しながら、フリーランス2年半・会社経営4期目を迎えましたが、

会社勤めだった頃と比べて、取れる選択肢は何十倍も増えました。

たくさん学んで、後悔しない選択肢を勝ち取りましょう!